フリカエル No.1 蛙飛び行事 奈良 吉野

今年も7月がやってきた。というか終わろうとしている。

 

7月7日には、七夕だけでなくカエル好きを熱くする行事があることをどのくらいの人が知っているのだろうか。もうタイトルでばれているとは思うが、それが奈良の吉野で行われる「蛙飛び行事」だ。

 

みうらじゅんさんの紹介するトン祭り(『とんまつりJAPAN 日本全国とんまな祭りガイド』)でその存在を知ったが、実際に観たのは一度きり。いまから10年ほど前のことで、その頃は大阪に住んでいたので多少なりとも近いように思っていた。

 

しかし、奈良は遠かった。しかも電車に乗っている途中に激しい雨が降り出して、窓の外は田園風景。トトロの世界に迷い込んだかのような気持ちになった。駅を降りた段階では、出遅れたのか、それほどの盛り上がりは感じなかった。

 

行事が行われるお寺までは、徒歩30分ということで、途中、ロープウェイに乗ることにした。小さなロープウェイには地元のおばあさん2人と私だけ。確か、向かい合わせに座るような感じになって、2人が声を潜めて「今年の蛙さんは誰それや」みたいな話をしていたのが印象に残った。

 

ロープウェイを降りてしばらくすると、カエル神輿に遭遇した。観光客よりは地元民が多い感じで、そこそこににぎわっていた。蛙さんは、じっとしていたように思う。写真をたくさん撮った。

 

境内に入って、儀式のために蛙さんがカエルっぽく移動する様を皆がじっとみているのはシュールだった。その後、人間に戻った蛙さんがすっくと立って歩きだしたのには、驚いた。これもまた、写真をたくさん撮った。

 

どうやって帰ったのか、そのあたりのことは覚えていない。名物の柿の葉寿司は好物だから食べたのかもしれない。葛切りはそんなに好きでもないから食べてないだろうなあ。

 

機会があれば、また観に行ってみたい。

 

最期に情報。正式名称は「蓮華会・蛙飛び行事 (金峯山寺)」となります。

 

奈良県吉野郡金峯山寺(きんぶせんじ)蔵王堂で、七月七日(古くは六月九日)に行なわれる神事。若者が扮する大蛙が、僧の行法によってついに、人間の姿をとりもどすというもの。かわずとび。かえるとび。《季・夏》

日本国語大辞典

 

 

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